抜け毛が気になり始め「ストレスのせいかもしれない」と感じたことはありませんか。実は精神的な負荷によって一時的に髪が抜けることは実際にあり、「ストレスのみが抜け毛の原因だった場合」多くの場合は適切な対処によって改善が見込めます。
ただし、ストレス以外の要因が重なっている場合や、AGAなどの脱毛症が進行している場合は、自然回復が難しくなることもあります。この記事では、ストレスと抜け毛の関係、判断方法、回復のための具体的なアプローチまでを整理して解説します。医師の診察を自宅から受けられるDMMオンラインクリニックの活用方法も紹介しているため、早めに対策を始めたい方はぜひ参考にしてください。

ストレスだけが原因の抜け毛は通常治る
ストレスによって一時的に引き起こされる抜け毛は、生活環境や精神状態の改善によって自然に回復するケースが多く見られます。医学的には「休止期脱毛症(Telogen Effluvium)」などと呼ばれ、髪の成長サイクルが一時的に乱れることで起こるもので、ストレスの軽減により正常なヘアサイクルが再開されれば、抜け毛の状態も改善に向かいます。
ただし、ストレスに加えて栄養不足やホルモンバランスの乱れなど他の要因が重なると、回復に時間がかかることもあるため、正確な原因の見極めと継続的なケアが重要です。
抜け毛の特徴
ストレスが主な原因となる抜け毛には、いくつかの共通した特徴があります。もっとも代表的なのは「休止期脱毛」と呼ばれるもので、髪の毛が成長を止めて抜けやすい状態になるのが特徴です。このタイプの抜け毛は、髪を引っ張らなくても自然に抜けることが多く、シャンプー時や枕元にまとまって髪が落ちていることで気づくケースがよくあります。
また、ストレスによる抜け毛は頭皮全体にまばらに起こることが多く、特定の部分が極端に薄くなる円形脱毛症とは異なるパターンを示すのが一般的です。
抜け毛の太さは比較的均一で、毛根に異常がない状態で抜けている場合が多いため、原因を特定する際のひとつの判断材料となります。
抜け毛が回復するまでの期間
ストレスが原因の一時的な抜け毛は、一般的に原因が取り除かれてから3か月~6か月程度で自然に改善していくケースが多く見られます。これは、ヘアサイクルの「休止期」から「成長期」へと移行するまでに一定の期間が必要なためです。
ただし、ストレスが長期にわたって継続していた場合や、生活習慣・栄養バランスの乱れが同時に起きていた場合には、回復までにさらに時間がかかることもあります。また、頭皮環境の悪化や誤ったヘアケアが原因で抜け毛が慢性化することもあるため、日常生活の見直しと並行して、必要に応じて専門機関に相談することが望まれます。
なぜストレスが頭皮環境に悪影響なのか?
ストレスは身体全体にさまざまな影響を及ぼしますが、頭皮や毛髪も例外ではありません。抜け毛の一因として知られる頭皮環境の悪化には、自律神経や血流、ホルモン、毛周期(ヘアサイクル)といった複数の生理的メカニズムが関係しています。
特に慢性的なストレスを受け続けると、体内の調整機能がうまく働かなくなり、頭皮への血流不足や毛根への栄養供給の低下、さらには毛の生え変わりサイクルの異常を引き起こす可能性があります。
以下では、ストレスが頭皮に与える影響を4つの観点から具体的に解説します。
ストレスによって自律神経が乱れるから
自律神経は、呼吸や心拍、血流、発汗などを無意識にコントロールする神経系で、交感神経と副交感神経のバランスによって調整されています。ストレスを受けると、このバランスが崩れ、交感神経が過剰に働く状態が続きます。
その結果、血管が収縮しやすくなり、頭皮への血流が低下します。血液は毛根に栄養や酸素を届ける重要な役割を担っているため、血流が滞ることで毛母細胞の働きが鈍くなり、髪の成長に必要な代謝活動が十分に行われなくなります。
このように、自律神経の乱れは間接的に毛髪の健全な成長を妨げ、抜け毛や髪のハリ・コシの低下につながることがあります。
交感神経優位となり頭皮の血流が不足するから
ストレスがかかると、身体は交感神経優位の状態になります。これは本来、緊急時に備えるための生理反応ですが、長期間続くと血管が収縮しやすくなり、血流量が減少します。特に末端部に位置する頭皮では、血行不良の影響を受けやすく、毛根に十分な酸素や栄養が行き届かなくなります。
血流不足が慢性化すると、毛母細胞の活動が弱まり、髪の成長が阻害されるだけでなく、成長期が短縮されて抜けやすい髪が増える可能性があります。頭皮の冷えや顔色の悪さ、肩こりなども同時に起きている場合は、血行不良による影響が出ているサインと考えられます。
ストレスにより毛周期(ヘアサイクル)が乱れるから
髪の毛は「成長期」「退行期」「休止期」の3段階からなる毛周期(ヘアサイクル)に基づいて生え変わっています。ストレスを受けると、このサイクルが乱れ、本来数年続くはずの成長期が短縮され、髪が早期に休止期へ移行してしまうことがあります。
これにより、成長しきらないまま抜ける髪が増え、全体的なボリュームの減少や細く短い抜け毛が目立つようになります。特に急激な環境の変化や精神的ショックなどは、短期間で毛周期を大きく狂わせることがあり、休止期脱毛として一時的に大量の抜け毛が生じることもあります。
ストレスの緩和に取り組むことで毛周期が整えば、時間をかけて自然に回復していく可能性が高いため、焦らず継続的なケアが必要です。
ホルモンバランスが乱れるから
ストレスが持続すると、体内のホルモン分泌にも影響が及びます。特にコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが過剰に分泌されると、男性ホルモンや女性ホルモンのバランスが崩れ、毛髪の成長に必要なホルモン環境が乱れてしまいます。
たとえば、女性の場合はエストロゲンの分泌が減少することで髪のツヤやハリが失われやすくなり、男性ではジヒドロテストステロン(DHT)の影響が強まり、抜け毛の原因となることがあります。ホルモンバランスの乱れは毛根の活動低下にもつながるため、頭皮の状態が悪化しやすくなります。
ストレスの緩和だけでなく、睡眠や食事の見直しなどを通じてホルモンの安定を図ることが、抜け毛対策としても重要です。
ストレスが原因の抜け毛が治らない原因
ストレスによる抜け毛は一時的なものであり、多くの場合は時間の経過とともに自然に回復が見込めます。しかし、数か月以上経っても改善が見られない場合は、別の原因が関係している可能性を考える必要があります。
たとえば、もともと他の脱毛症が進行していたり、生活習慣の乱れが長期にわたって蓄積していたりすると、ストレスだけを取り除いても抜け毛が治まらないことがあります。以下では、考えられる3つの原因について詳しく解説します。
実はストレスが原因の抜け毛ではなくAGA
抜け毛の原因をストレスと自己判断している場合でも、実際には男性型脱毛症(AGA)が進行しているケースがあります。AGAは遺伝やホルモンの影響によって起こる脱毛症で、前頭部や頭頂部を中心に徐々に髪が細くなり、抜け毛が増えていくのが特徴です。
項目 | ストレスによる脱毛 | AGA(男性型脱毛症) |
---|---|---|
原因 | 精神的・身体的ストレス | DHT(ジヒドロテストステロン)などホルモンと遺伝 |
発症のタイミング | 急に抜け毛が増える | 徐々に進行 |
抜け毛の分布 | 頭全体にまばらに起こる | 生え際・頭頂部中心に進行 |
髪の太さ | 太さは比較的一定 | 徐々に細く柔らかくなる |
回復の可能性 | 原因除去で自然回復することが多い | 放置すると進行するため治療が必要 |
対応方法 | 生活習慣の見直し・ストレス軽減が中心 | AGA専門治療(薬剤治療など)が必要 |
ストレスによる抜け毛とAGAは見た目では区別が難しいこともありますが、AGAの場合は進行性であるため、放置すると抜け毛が広がっていきます。一方、ストレス性脱毛症は一過性で、原因が解消されれば回復が見込めます。
治療方法も異なるため、長期間抜け毛が続く場合や頭部の特定の部位に集中している場合は、医療機関で正確な診断を受けることが重要です。
日常生活からストレスを完全になくすのは難しい
ストレスが抜け毛の原因となることは広く知られていますが、現代の生活においてストレスを完全に排除することは現実的ではありません。仕事、人間関係、睡眠不足、気温や気圧の変化など、日常のさまざまな要素が無意識のうちに心身に負荷をかけています。
そのため、ストレスによる抜け毛を防ぐには、「ストレスをゼロにする」のではなく、「ストレスとうまく付き合う」ことが重要です。たとえば、運動や入浴、趣味の時間を確保することで交感神経と副交感神経のバランスが整いやすくなり、自律神経の乱れを緩和しやすくなります。
抜け毛が慢性化している場合、ストレスだけでなく生活全体のバランスを見直す必要があることも意識しておくことが大切です。
抜け毛は食生活や睡眠など複合的な要因の場合がある
抜け毛の原因はストレスだけに限らず、食生活の乱れや睡眠不足、過度なダイエット、運動不足など、複数の生活習慣が重なって影響していることも少なくありません。これらの要因は体内の代謝やホルモンバランス、血流に影響を与え、毛根の働きを妨げる可能性があります。
たとえば、タンパク質や鉄分、亜鉛といった髪の成長に必要な栄養素が不足していると、髪が十分に育たず、抜けやすくなります。また、睡眠中には成長ホルモンが分泌されるため、睡眠時間や質が低下すると、髪の修復・再生機能にも影響を及ぼします。
このように、複数の生活習慣が重なることで抜け毛が悪化しやすくなるため、原因を一つに絞らず、生活全体を見直すことが回復への近道となります。
参考:脱毛症 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
ストレスによる抜け毛かも?と思ったときに取るべきアプローチ
抜け毛が増えてきたと感じたとき、「もしかしてストレスのせいかも」と思っても、具体的に何をすればよいのか迷う人は少なくありません。ストレスが一因である場合、症状は自然に回復する可能性もありますが、原因が複合的な場合は対策の方向性を間違えると長期化することもあります。
そこで重要なのは、自分の状態を冷静に見極めながら、医療的・生活習慣的な両面からアプローチを取ることです。以下では、今すぐ実践できる4つの対処法を紹介します。
- AGA専門のクリニックを受診する
- 食生活を見直す
- 睡眠時間を確保する
- ストレス発散の方法を身につける
AGA専門のクリニックを受診する
抜け毛の原因がストレスによるものか、もしくはAGA(男性型脱毛症)によるものかを正確に判断するには、専門の医療機関で診察を受けることが不可欠です。特に、抜け毛の部位が限局している場合や、半年以上改善が見られない場合は、AGAの可能性が高まります。
AGAは進行性であるため、自己判断や市販の育毛剤だけでは対処が難しく、早期に医師の診断と適切な治療を受けることが重要です。最近では、オンライン診療にも対応したクリニックも増えており、通院が難しい方でも気軽に相談しやすい環境が整っています。
初期であればあるほど治療効果も出やすいため、早めの行動が回復への近道となります。
食生活を見直す
髪の健康を維持するには、毛根を構成する細胞に十分な栄養が届けられていることが前提です。過度な偏食や栄養不足は、毛母細胞の活動低下を招き、抜け毛の一因となることがあります。
特に意識して摂取したいのは、髪の主成分であるタンパク質(肉・魚・卵・大豆製品など)、髪の成長を支えるビタミンB群、亜鉛や鉄分などのミネラル類です。外食中心の生活が続いている場合は、栄養バランスを見直すだけでも抜け毛の悪化を防ぐ効果が期待できます。
また、急激なダイエットや絶食も毛髪に悪影響を及ぼすため、無理な食事制限は避け、バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。
睡眠時間を確保する
十分な睡眠は、髪の成長に欠かせない要素のひとつです。特に深い眠りの時間帯には、成長ホルモンが分泌され、毛母細胞の分裂や修復が活発になります。睡眠時間が不足すると、この再生プロセスが滞り、髪の成長が妨げられるだけでなく、頭皮環境の悪化にもつながります。
就寝時間が不規則な生活や、夜更かしが続く状態では、自律神経のバランスも乱れやすくなり、ホルモン分泌や血流にも悪影響を及ぼします。これらはすべて抜け毛のリスクを高める要因です。
毎日6〜8時間程度の質の高い睡眠を確保し、なるべく同じ時間に寝起きする習慣をつけることが、毛髪の健康を保つためには効果的です。
ストレス発散の方法を身につける
ストレスを完全に避けることは難しくても、自分なりの発散方法を持つことで心身への負担を軽減することが可能です。ストレス状態が続くと自律神経やホルモンバランスが乱れ、血流低下やヘアサイクルの異常が引き起こされるため、抜け毛のリスクが高まります。
ウォーキングや軽い運動、湯船に浸かる入浴、深呼吸や瞑想、趣味に集中する時間など、心を緩める習慣を日常に取り入れることで、ストレスの影響を最小限に抑えることができます。
無理に我慢したり、ストレスの原因を放置したままにしていると、抜け毛だけでなく全身の健康に悪影響が及ぶこともあるため、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけることが抜け毛対策にもつながります。
ストレスによる抜け毛か不安な場合はDMMオンラインクリニック

抜け毛が気になりはじめたとき、原因を自己判断するのは難しいものです。ストレス性の一時的な脱毛なのか、AGAなど進行性の脱毛症なのかを見極めるためには、専門的な視点での診断が欠かせません。
DMMオンラインクリニックでは、自宅にいながら医師の診察を受けられ、必要に応じて治療薬の処方までスムーズに対応できます。プライバシーに配慮されたオンライン診療体制により、初めての方でも安心して相談を始められるのが特長です。
抜け毛の不安を放置せず、早めに行動に移すことが、回復への第一歩となります。気になる症状がある場合は、オンライン診療を活用して医師に相談してみてください。