【医師監修】ホルモンバランスの乱れが引き起こす大人ニキビ・肌トラブルについて解説

ホルモンバランス、とくに女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の変動は、皮脂分泌や肌のターンオーバーに影響を及ぼします。特に20代後半から30代以降に多い「大人ニキビ」は、思春期ニキビとは異なり、顎周りやフェイスラインに赤みや炎症が出やすく、深刻な肌トラブルを引き起こしがちです。

日常生活の中で繰り返される肌不調は、精神的なストレスを呼び、良好なホルモン環境をさらに乱す悪循環に陥ることもあります。

この記事の監修者
国家公務員共済組合連合会虎の門病院 救急科部長
東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)

1995年長崎大学医学部卒業。亀田総合病院臨床研修後、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、米国カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より国家公務員共済組合連合会 虎の門病院救急科部長(現職)。

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目次

ホルモンバランスと大人ニキビの深い関係

大人ニキビは、ホルモンバランスの乱れと密接に関係しています。特に、月経前や更年期といったホルモンの変化が大きい時期には、皮脂の分泌が増えたり、角質が厚くなったりすることで、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすい状態になります。こうした肌トラブルが繰り返される人は、ホルモンの影響を受けやすい肌質かもしれません。

皮脂の過剰分泌

ニキビの原因となる皮脂は、女性ホルモンと呼ばれる「プロゲステロン」と「エストロゲン」のバランスが深く関わっています。プロゲステロンには皮脂腺を刺激する働きがあり、この2つのバランスが崩れると皮脂の過剰分泌を引き起こします

この余分な皮脂が毛穴にたまり、皮膚常在菌(アクネ菌)と反応して炎症を起こすことで、ニキビが悪化する原因となるのです。

プロゲステロンは、排卵後から月経開始までの「黄体期」に分泌が増えます。「生理前にニキビができやすい」と感じる人が多い理由です。

ホルモンバランスの乱れを招く生活習慣

日々の生活習慣は、ホルモンバランスに大きな影響を与えます。特に、睡眠不足や不規則な生活リズム、栄養の偏り、そして慢性的なストレスといった現代人に多い生活習慣は、ホルモンの分泌リズムを乱し、肌の不調や大人ニキビを引き起こす要因になります。

ニキビを予防・改善するためには、まず原因を正しく知ることが大切です。そのうえで、生活習慣を整えることが、ホルモンバランスの安定につながり、肌本来の健やかさを取り戻す第一歩となります。

睡眠不足やストレス

睡眠が不足すると、成長ホルモンの分泌が低下し、肌のターンオーバーが乱れやすくなります。またストレスによりコルチゾールなどのストレスホルモンが増加し、結果としてホルモンバランスにも悪影響を及ぼします。

偏った食生活

急激な血糖値の上昇は、ニキビの発症リスクを高めることがわかっています。これは、血糖値が急上昇すると、それに反応してインスリンが大量に分泌されるためです。このインスリンが、皮脂腺を刺激する男性ホルモン「アンドロゲン」の分泌を促すことがあり、皮脂の過剰分泌や毛穴詰まりを引き起こしやすくなります。

その結果、ニキビができやすい肌環境になってしまうのです。甘いものや精製された炭水化物の摂りすぎには注意が必要です。

間違ったスキンケア

洗浄力の強すぎる洗顔料、保湿不足、またはオイル分を多く含むコスメは、肌のバリア機能を低下させ、皮脂の過剰生成や炎症を引き起こす原因となります。

摩擦

マスクや枕との接触など、物理的刺激による摩擦は肌に小さなダメージを蓄積させ、バリア機能の低下につながり、ニキビの発生・悪化を招きます。

ホルモンバランスを整え、ニキビを予防・改善するためのセルフケア

大人ニキビの予防と改善には、ホルモンバランスを整える意識的な生活習慣が欠かせません。スキンケアだけに頼るのではなく、睡眠や食事、ストレス管理などのライフスタイル全体を見直すことで、内側から肌の調子を整えていくことが重要です。

正しい洗顔と保湿の基本ステップ

朝晩の1日2回洗顔しましょう。低刺激の泡タイプを使用し、34~36℃のぬるま湯で優しく洗います。洗顔後はすぐに保湿し、セラミド・ヒアルロン酸などを含むローションとクリームでバリア機能をサポートします。

スキンケア用品選びの注意点

パラベン・アルコールを避け、低刺激処方・ノンコメドジェニック(※ニキビを引き起こしにくい処方)を明記した化粧品を選びましょう。薬機法上、「ニキビを改善できる」と断定した表現は使用できませんので「ニキビを予防に役立つ」といった表現が無難です。

ホルモンバランスを整える生活習慣

ホルモンバランスを整えるには、体内リズムを安定させるような生活スタイルが求められます。例えば早寝早起きの習慣、ストレスを溜め込まない工夫、バランスの取れた食事内容の見直しなど、日常の小さな行動がホルモン環境の改善につながります。

睡眠

睡眠不足や昼夜逆転は、ホルモンバランスを大きく乱します。厚生労働省では、毎日6~8時間の質の高い睡眠を確保することが推奨されています。就寝前のスマホ操作を控える、くつろげる室内環境を作る、光を遮断する環境づくりが効果的です。

食事

血糖値の急上昇を防ぐことは、ホルモンバランスの安定やニキビ予防にも効果的です。そのためには、GI値(グリセミック・インデックス)の低い食材を選ぶことがポイントです。全粒穀物や野菜、発酵食品などは血糖値を緩やかに上げるため、肌への負担も軽減できます。

また、たんぱく質の摂取も重要です。 たんぱく質は、血糖値の上昇を緩やかにするホルモン「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」の分泌を促進する作用があります。GLP-1の働きによってインスリンの分泌がコントロールされ、満腹感が得られやすくなるため、食べすぎ防止にもつながります。

そして、特に注目したいのが、「オメガ-3脂肪酸」です。

オメガ-3脂肪酸は、炎症を抑える働きがあり、肌トラブルの予防にも役立つとされています。この栄養素は熱に弱く、加熱調理によってその効果が減少してしまいます。

そのため、刺身などの生魚で摂るのがお勧めです。鮮度の良い生魚を選ぶことで、オメガ-3脂肪酸を効率よく取り入れることができ、体の内側から健やかな肌づくりをサポートしてくれます。

ストレス管理のコツ

ストレスを軽くすることでホルモンバランスを整える効果が得られます。軽い運動、深呼吸法、趣味を楽しむ時間を取り入れ、長期的なストレス耐性を強化します。可能であればヨガや瞑想、セルフケア時間の確保もお勧めです。

ニキビ肌で悩んだらDMMオンラインクリニックの活用も

大人ニキビに悩み続けている方の中には、皮膚科への受診に踏み切れずに我慢してしまうケースも少なくありません。そんな方にお勧めなのが、オンラインで診療が受けられるDMMオンラインクリニックです。自宅にいながら専門的な医療アドバイスや処方が受けられるため、忙しい現代人にもぴったりのサービスです。

通院せず相談できるオンラインクリニック

DMMオンラインクリニックでは、スマホやパソコンがあれば自宅からでも簡単に診療が受けられます。移動時間や待ち時間が省けるため、仕事や家庭で忙しい方でも無理なく利用できるのが魅力です。病院に行くハードルが高いと感じていた方にも好評です。

スマホ・PCで予約から診療まで完結

DMMオンラインクリニックなら、自宅でも通勤中でもスマートフォンやPCで診療予約ができ、外出が難しい方でも気軽に医師に相談できます。

忙しい方でも受診しやすい仕組み

オンラインなので通院の移動時間が不要。忙しいビジネスパーソンや子育て中の方にも、時間の負担少なく利用可能です。

皮膚科医が一人ひとりに合わせて診療

DMMオンラインクリニックでは、一人ひとりの肌の状態や生活背景を踏まえた診療を行っています。オンラインでも丁寧なカウンセリングを行い、必要に応じた処方提案やスキンケアのアドバイスを受けられるのが大きな特長です。

処方・薬の配送にも対応。定期便対応もOK

医師のオンライン問診を経て、必要であればニキビ薬(ビタミン剤や抗生物質など)の処方・配送が受けられます。

ホルモンバランスによるニキビ改善にDMMオンラインクリニックへ

ホルモンバランスが原因のニキビに悩んでいる場合、自己流のケアだけで改善が難しいケースもあります。DMMオンラインクリニックでは、医師が一人ひとりの肌状態やライフスタイルに合わせて適切な診療を行い、薬の処方や継続的なフォローも可能です。早めに専門医のアドバイスを受けることで、症状の悪化を防ぎ、より効率的な肌改善につなげられます。

ホルモン不均衡が原因のニキビは、適切なセルフケアと専門医による薬物療法の両輪で向き合うのが有効です。まずは生活習慣の見直しと正しいスキンケアでホルモン環境を整えつつ、セルフケアだけでは改善が難しい場合は、 DMMオンラインクリニックで専門家の診療を受け、保険適用やオンライン処方のメリットを活かすことをお勧めします。

【参考文献】

・大人ニキビ※ 1 の発生要因のひとつが、肌水分量の部分的な減少であることを新たに解明|FUZIFILM

https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1372905755.pdf

・ホルモンバランスの乱れによるニキビへの対処法とは?|松浦薬業株式会社

https://www.matsuura-gp.co.jp/column/2495/

・日本皮膚科学会|皮膚科Q&A

https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/q25.html

・健康づくりのための睡眠ガイド|厚生労働省2023

https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf

・ニキビ患者の食事指導ポイント|望月理理子

http://www.igaku.co.jp/pdf/2035_beauty-04.pdf

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