FAGA（女性型脱毛症）の治療をいざ治療を検討しようとしても、「どれくらいの費用がかかるの？」「本当に効果はあるの？」と不安に感じる方も少なくありません。
FAGAは早期に適切な治療を始めることで、進行を抑えたり、発毛効果を実感できる可能性があります。
本記事では、FAGAの主な治療法とその料金相場について詳しく解説し、コストを抑えながら効果的な治療を続ける方法を解説します。
この記事の監修者
国家公務員共済組合連合会虎の門病院 救急科部長
東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆（ぐんしん まさたか）
1995年長崎大学医学部卒業。亀田総合病院臨床研修後、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、米国カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より現職。
FAGA（女性型脱毛症）とは？症状と原因
FAGA（Female Androgenetic Alopecia）とは、女性に特有の進行性の脱毛症です。頭頂部を中心に髪が細くなり、全体的にボリュームが減少する特徴があります。加齢やホルモンバランスの変化、ストレス、遺伝的要因などが影響を及ぼし、放置すると薄毛が進行してしまいます。
ここでは、AGA（男性型脱毛症）との違いとFAGAの原因について詳しく解説します。
FAGAの特徴｜男性の薄毛とは何が違う？
FAGAは男性型脱毛症（AGA）とは異なり、生え際が後退するのではなく、頭頂部を中心に髪の密度が減少するのが特徴です。
女性の場合、完全に髪が抜け落ちるのではなく、髪が細くなり、全体的にボリュームダウンする傾向が特徴です。また、FAGAはホルモンバランスの変化によって進行しやすく、閉経後に症状が悪化するケースもあります。
| 比較項目 | FAGA(女性型脱毛症) | AGA(男性型脱毛症) |
|---|---|---|
| 脱毛の進行パターン | 頭頂部の密度が減少 | 生え際が後退 頭頂部が薄くなる |
| 髪の抜け方 | 髪が細くなりボリュームダウン | 髪が抜け落ちる |
| 主な原因 | ホルモンバランスの変化 加齢 | DHT(ジヒドロテストステロン)の影響 |
| 進行速度 | ゆるやか | 比較的早い |
| 治療法 | 内服薬・外用薬・育毛ケア | 内服薬・外用薬・植毛 |
FAGAの主な原因｜ホルモン
FAGA（女性型脱毛症）の最大の要因のひとつがホルモンバランスの変化です。特に女性ホルモン（エストロゲン）の減少と、男性ホルモン（アンドロゲン）の影響を受けやすい状態になります。
エストロゲンには髪の成長を促進する働きがありますが、閉経や加齢により分泌が減少すると、髪が細くなり抜けやすくなります。また、アンドロゲンが毛包に与える影響も脱毛を促進するとされます。
FAGAの主な原因｜ストレス
ストレスはFAGAの進行に大きく関与すると考えられています。強いストレスを受けると、自律神経やホルモンバランスが乱れ、血流が悪化することで頭皮環境が悪化します。その結果、髪の毛に必要な栄養や酸素が届きにくくなり、毛髪の成長が妨げられます。
また、ストレスは円形脱毛症などの他の脱毛症とも関連があるため、ストレスと溜め込まないようにすることも重要です。
FAGAの主な原因｜生活習慣の影響
偏った食生活や睡眠不足、運動不足などの生活習慣の乱れもFAGAの原因となります。髪の成長にはビタミンやミネラル、たんぱく質などの栄養が不可欠です。栄養が不足すると毛髪の生成が滞り、抜け毛や髪のハリ・コシの低下が起こりやすくなります。無理なダイエットも要注意です。
慢性的な睡眠不足はホルモン分泌の乱れにもつながり、髪の成長サイクルに悪影響を与えることがあります。
FAGAの主な原因｜薬の影響
一部の医薬品は副作用として脱毛を引き起こすことがあり、これがFAGAの誘因になる場合もあります。特に、抗がん剤、抗うつ薬、降圧薬、甲状腺薬などが報告されています。
これらの薬は、毛周期（ヘアサイクル）を乱し、成長期の毛髪を早期に休止期に移行させてしまうことがあります。服薬による脱毛が疑われる場合は、医師に相談することが重要です。
早期治療が大切な理由｜放置するとどうなる？
FAGAは進行性の脱毛症であるため、早期に適切な治療を行わないと症状が悪化し、改善が難しくなります。特に、毛根が完全に機能しなくなると、治療をしても発毛が期待できなくなる可能性があります。早めの治療開始が、より高い効果を得る鍵となります。
FAGAの主な治療法と費用の目安
FAGA治療には、内服薬や外用薬、クリニックでの施術、自宅でのケアなどさまざまな方法があります。それぞれの費用は、治療法やクリニックによって差はあるため、治療法と一般的な費用の目安を紹介します。
内服薬・外用薬治療（ミノキシジル・スピロノラクトン）
ミノキシジルは血流を促進し、発毛を促す成分として広く使用されています。スピロノラクトンはホルモンバランスを整えることでFAGAの進行を抑制する効果があります。
これらの薬剤を使用した場合の費用は、月額5,000円～15,000円が相場です。
クリニックでのメソセラピー・HARG療法
メソセラピーは、発毛を促進する成分を直接頭皮に注入する治療法です。HARG療法は、成長因子を利用して毛髪再生を促す治療で、1回あたり80,000円～100,000円程度の費用がかかります。
植毛手術は選択肢になる？費用とメリット・デメリット
植毛は、自身の健康な毛髪を移植する治療法で、自然な仕上がりが期待できます。費用は、1,000グラフト（約2,000本）で500,000円～1,000,000円程度です。高額ですが、半永久的な効果が期待できる点が大きなメリットです。
自宅でできる育毛ケア（育毛剤・シャンプー）
育毛剤やシャンプーは、自宅で手軽にできるFAGA対策の一つです。ミノキシジル配合の育毛剤は月額5,000円～10,000円程度、高品質な育毛シャンプーは1本3,000円～5,000円程度が相場です。
継続することで効果を発揮するため、頭皮マッサージなどのセルフケアと併用しながら根気強く行うことが大切です。
FAGA治療の費用比較｜クリニックvs自宅ケア
FAGA治療を行う際、クリニックでの専門的な治療と自宅ケアのどちらを選ぶか悩む方も多いでしょう。ここでは、それぞれの費用や効果を比較し、どちらが自分に適しているのか判断するポイントを解説します。
クリニック治療の費用相場
クリニックでの治療は、月額30,000円～100,000円と高額ですが、専門医の診察を受けながら効果的な治療を行えるのが利点です。
自宅ケアにかかる費用（育毛剤・シャンプーなど）
自宅ケアの費用は、月額5,000円～15,000円程度と比較的安価ですが、効果を実感するまで時間がかかる場合があります。また、粗悪品や偽物が混じっている可能性もあるため注意が必要です。
保険適用は可能？自由診療との違い
FAGA治療は見た目を改善するための美容目的とされ、保険適用外の自由診療です。
ただし、一部の治療は、自己免疫異常や甲状腺機能障害が原因の脱毛と医師が判断すれば、保険適用される場合もあります。
費用を抑えてFAGA治療を続けるコツ
FAGA治療は長期間続けることが重要ですが、高額な治療費は経済的に大きな負担となります。ここでは、費用を抑えながらも効果的な治療を継続するための工夫やお得な制度についてご紹介します。
クリニックのキャンペーン・モニター制度を活用する
多くのクリニックでは、新規患者向けの割引やモニター制度を提供しており、通常よりも安価に治療を受けられるチャンスがあります。
費用対効果の高い治療法を選ぶポイント
治療を受けるなら、効果を得られる治療方法を選びたいですよね。そのためには、自分の症状に合った治療法を選ぶことが大切です。
同じ治療方法を受けた体験者の話を聞くことで、効果の高い治療を選ぶことができます。それにより、「効果がなかった」と無駄なコストを抑えることができます。
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【参考文献】
・女性の薄毛・抜け毛（FAGA/FPHL）|大正製薬
https://www.taisho-kenko.com/disease/637
・女性の薄毛、FAGA（FPHL）とは？原因や治療薬を詳しく解説｜AGAヘアクリニック
https://agahairclinic.or.jp/women-factor/
・女性の薄毛（FAGA）治療は保険適用外？理由や費用相場、安く抑える方法についてご紹介｜湘南美容クリニック
