「勃起してもすぐ終わってしまう」
「昔よりも時間が短くなった気がする」
そう悩んでいる方は、勃起力が低下しているかもしれません。
勃起力は、加齢や生活習慣の影響で短くなることが分かっています。
本記事では、勃起が持続しない原因やご自身でできる対処法について解説します。
満足いく性生活を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
国家公務員共済組合連合会虎の門病院 救急科部長
東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)
1995年長崎大学医学部卒業。亀田総合病院臨床研修後、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、米国カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より現職。
平均的な勃起とは
そもそも勃起力は体質や状況によっても変わってくるため、相対的に比較するのは難しいです。ここでご紹介する基準や数値は、あくまで目安としてとらえてください。
性的興奮や刺激がある状態での勃起は通常数分から30分程度
健康な成人男性の場合、性的興奮や刺激を受けている状態での勃起は、通常数分から30分程度持続します。
勃起の持続時間は、その時々の性的興奮の程度や身体的コンディション、環境要因などによって大きく変動します。
医学的には、勃起時間や硬さの変動が起こることは正常です。
そのため一定の持続時間を「正常」と明確に定義することは適切ではないといえるでしょう。
挿入から射精までの平均時間は5分24秒
異性間での性行為を対象としたある調査によると、挿入から射精までの平均時間は、5分24秒と言われています。
ただし、これは中央値であり計測値は33秒から44分と幅があります。
また、計測はアメリカ・イギリス・スペイン・オランダ・トルコにおける500組のカップルが対象であり、日本人は入っていません。
勃起してから平常に戻るまでの時間についての正確な調査を実施していない点にも、注意が必要です。
あくまで、挿入から射精までの時間ととらえておくとよいでしょう。
同じ男性でも性行為のたびに射精時間が異なる
性行為における持続時間は、同じ男性でも毎回異なるのが一般的です。
性行為のたびに射精時間が変わる要因としては、精神的な状態、パートナーとの関係性、その日の体調、疲労度、環境要因などが挙げられます。
また、性行為の頻度によっても変化することがあり、射精時間の変動は生理的に正常な範囲内です。
個人における勃起や射精のコンディションが変動することは、むしろ健康な性機能の証ともいえるでしょう。
加齢により徐々に勃起時間は短くなる
51歳以上の男性は、30歳以下の男性と比較して、挿入から射精までの時間が約2分ほど短くなると言われています。
加齢による勃起時間の変化は、加齢にともなう身体的および生理的な要因によるものです。
たとえば以下の要因により、勃起時間が短くなります。
- ホルモンバランスの変化
- 血管機能の低下
- 神経伝達の鈍化
加齢による性機能の変化は避けられないものですが、それを自然なプロセスとして捉え、パートナー間でのオープンな対話や健康的なライフスタイルを心がけることで、豊かな性生活を維持できるでしょう。
早漏の基準
国際性機能学会(ISSM)は、早漏を単なる一時的な現象ではなく、診断可能な性機能障害として定義しています。
射精のコントロール不能が継続することは、男性ご本人にとってストレスや自己評価の低下を引き起こす深刻な問題です。
早漏の診断基準には以下の3つの条件が含まれます。
- 毎回挿入前後の1分以内に射精する
- 射精をコントロールできない
- 射精が原因でメンタルやパートナーシップに影響する
上記の症状がある場合、早漏と判断し治療が推奨されます。
勃起力が低下する原因
勃起力の低下は、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生することが多い症状です。身体的な要因から心理的な要因まで、その原因は多岐にわたります。
血流の低下
勃起のメカニズムにおいて、血流は重要な役割を果たします。
性的刺激を受けると、陰茎の血管が拡張し、陰茎海綿体に十分な血液が流れ込むことで勃起が起こります。勃起が正常に進行するためには、血液の流れを妨げる要因がないことが前提です。
しかし、次のような要因があると、血流が低下し、勃起力に影響を及ぼします。
- 動脈硬化
- 高血圧
- 糖尿病
上記の疾患を患っていなくても、年齢を重ねるにつれて血流が滞りやすくなるため、徐々に勃起力が低下します。
ホルモンバランスの乱れ
性機能の維持には、男性ホルモンであるテストステロンが関わっています。
テストステロンは性欲を高めるだけでなく、勃起機能をサポートする血流の調節や筋力の維持にも必要です。
しかし、以下の要因によってホルモンバランスが崩れると、テストステロンの分泌が低下し、勃起力の低下を引き起こす可能性があります。
- 加齢
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
加齢や生活習慣が原因となるホルモンの変化に対応するためには、専門家のアドバイスを受けながら、適切な治療や生活改善を進めることがおすすめです。
心理的要因
勃起不全には、メンタルも影響しています。
日常的なストレスや不安、うつ病などの精神的な問題は、勃起機能に大きな影響を与えることがあります。
特に、性的なパフォーマンスに対する過度の不安や、過去の失敗体験によるトラウマは、勃起を妨げる大きな要因です。
また、性生活に関する悩みだけでなく、健康や金銭面でのストレスも勃起不全の原因となります。
生活習慣の影響
不規則な生活習慣は、勃起機能にさまざまな悪影響を及ぼします。
特に、以下のような悪習慣は、血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こし、結果として勃起力の低下を引き起こします。
- 不適切な食生活
- 運動不足
- 過度の飲酒
- 喫煙
生活習慣の改善は、ED治療の基本的かつ重要なアプローチです。
疾患や健康状態
病気や基礎疾患が、勃起力を低下させている可能性があります。
病気により体内が劣化すると、血管や神経に損傷を与え、血流や性的興奮の伝達を妨げます。
特に、糖尿病、高血圧、心臓病などの生活習慣病を適切に管理・予防し、治療することは、勃起機能の改善にも役立つでしょう。
お薬の副作用
一部のお薬は、副作用として勃起不全を引き起こす可能性があります。
性的刺激が陰茎に伝わりにくくなったり、血管の拡張を抑制する作用があるためです。
特に、高血圧治療薬、抗うつ薬、前立腺治療薬などは、性機能に影響を与えると言われています。
勃起力維持のためにお薬を変更する必要はありませんが、ご自身が原因ではないと理解するだけでも、精神的なストレスは軽減できるでしょう。
加齢
年齢を重ねるにつれて、自然な生理的変化として性機能の低下が起こります。
テストステロンなどのホルモン分泌の減少や、血管・神経機能の低下が原因です。
しかし、適切な治療や生活習慣の改善により、加齢に伴う勃起機能の低下を遅らせることは可能です。
勃起が持続しないときの対策
勃起機能の改善には、総合的なアプローチが必要です。生活習慣の改善から専門医による治療まで、それぞれの状況に応じて、最適な対策を選択しましょう。
生活習慣を整える
健康的な生活習慣は、勃起機能の改善において基本です。
具体的には、適度な運動習慣の確立、バランスの取れた食事、十分な睡眠時間の確保が大切です。
特に、有酸素運動は血行促進に効果的で、週3回程度の運動習慣を身につけることで、身体がスッキリして勃起力にも良い影響があるでしょう。
健康的な生活習慣を取り入れると同時に、禁煙や減酒など、悪習慣を改めることも有効です。
前戯を工夫する
性行為において「挿入から射精まで」以外の過程にも目を向けて見ましょう。
パートナーとの性行為において、前戯は重視すべきポイントです。
十分な時間をかけて互いの興奮を高めることで、より満足度の高い性行為が可能となるでしょう。
また、挿入にこだわらず、お互いが楽しめる性的なコミュニケーションの方法を見つけることも大切です。
パートナーとの率直な対話を通じて、新しい楽しみ方を探索してみましょう。
クリニックを受診する
勃起機能に不安がある場合は、一人で悩まず医師に相談することがおすすめです。
詳しい問診と検査を通じて、症状の原因を特定し、一人ひとりの状況に応じた治療法を提案してくれるでしょう。
必要に応じて、ED治療薬が処方されます。
クリニックでのED治療は、生活習慣のアドバイスも含めてトータルであなたの性生活をサポートします。
勃起力を維持するための治療薬
ED治療薬には種類があるため、生活スタイルや希望する効果の持続時間に応じて選択できます。
日本におけるED治療で使われる処方薬を、5つご紹介します。
バイアグラジェネリック
バイアグラジェネリックは、広く知られているED治療薬の一つです。
PDE5阻害薬として作用し、性的興奮時の勃起を促進します。服用後30分から1時間程度で効果が現れ始め、3〜6時間程度効果が持続します。
食事の影響を受けやすいため、空腹時の服用がおすすめです。
レビトラジェネリック
レビトラジェネリックは、バイアグラと同様にPDE5阻害薬として作用します。
効果の発現が比較的早く、服用後15分から1時間程度で効果が現れ始めます。
効果の持続時間は3〜5時間程度で、食事の影響を受けにくいのが特徴です。
シアリスジェネリック
シアリスジェネリックは、長時間作用型のED治療薬として知られています。
服用後1〜3時間で効果が現れ始め、20〜36時間という長時間の効果持続が特徴です。
効果の持続時間が長いため、性行為のタイミングに左右されずより自然な性生活を送りたい方におすすめです。
アバナフィル
アバナフィルは、新世代のED治療薬として注目されています。
服用後15〜30分という比較的早い時間で効果が現れ始め、5〜6時間程度効果が持続します。副作用が比較的少なく、食事の影響も受けにくい点が特徴です。
ウデナフィル
ウデナフィルは、服用後30分程度で効果が現れ始め、12〜24時間程度の持続時間が特徴です。
シアリスほどの長時間ではありませんが、十分な持続時間を確保できるお薬として評価されています。副作用も比較的穏やかとされています。
ED治療薬の個人購入はおすすめできない
ED治療薬の個人購入には、リスクがともないます。
インターネット上で販売されている医薬品の多くは、偽造品である可能性が高く、有効性や安全性が保証されていません。
また、正規品であっても、専門医による適切な診断なしでの服用は、予期せぬ副作用や健康被害を引き起こす可能性があります。
お薬の影響は個人差があるため、医師の診療による処方で、気になることはすぐに相談できる環境のもと使用することがおすすめです。
DMMオンラインのED治療薬は第三者機関による有効成分の成分検査済です
勃起力が低下しているのは、不健康な生活習慣や加齢が原因かもしれません。
栄養バランスのとれた食事や運動習慣を身につけ、禁煙や減酒を心がけましょう。
それでも改善がみられない場合、一人で悩まずクリニックに相談してください。
DMMオンラインクリニックでは、オンライン診療を通じて、専門医による適切な診断と処方を受けることができ、安心して治療を進めることが可能です。
提供するすべてのED治療薬について、第三者機関による厳格な成分検査を実施しています。
また、プライバシーにも十分配慮されており、お気軽に相談できる環境が整っています。
自信を取り戻すために、まずはDMMオンラインクリニックにご相談ください。
【参考記事】
サイト:クリニックフォア
https://www.clinicfor.life/telemedicine/ed/about/ed-34
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サイト:ヒロクリニック
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MEDICAL NEWS TODAY
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