EDかもしれないと悩む方の中には、喫煙習慣がある方もいるでしょう。
EDの原因の一つとして、喫煙習慣が大きく関係していることをご存知でしょうか?
タバコに含まれる有害物質は、血流を阻害し男性の性機能に影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、タバコとEDの関係性について詳しく解説しています。禁煙に取り組む方法についても解説しているので、EDに悩む方、もしくは予防したい方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事の監修者
国家公務員共済組合連合会虎の門病院 救急科部長
東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)
1995年長崎大学医学部卒業。亀田総合病院臨床研修後、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、米国カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より現職。
喫煙が生殖能力に及ぼす影響
喫煙は男性の性機能に、少なからず影響を与えます。
特に長期的な喫煙習慣は、徐々に身体をむしばみ気づかぬうちに生殖能力を低下させるでしょう。
ここでは、喫煙が男性機能に及ぼす影響を5つ解説します。
ホルモン分泌を乱す
喫煙による有害物質は、脳下垂体や精巣の健康を阻害し、男性ホルモンの分泌バランスを崩します。
テストステロンは性欲や勃起機能の維持に重要な役割を果たすホルモンです。タバコの影響でテストステロンの分泌量が減少すると、性機能の低下を引き起こす可能性があります。
また、精子の質や量にも影響を与え、生殖能力そのものの低下につながると言われています。
交感神経を刺激する
ニコチンには交感神経刺激作用があり、ニコチン摂取により身体は常に緊張・興奮状態に置かれます。
本来、勃起にはリラックスをもたらす副交感神経が優位に働くことが必要です。交感神経が過度に刺激された状態では血管が緊張し、勃起するために必要な血流が阻害されます。
また、継続的な交感神経の刺激が続くと、性的な興奮を得にくくなります。性的興奮にはリラックスが必要であるためです。
そのため常に神経が興奮状態でいると、結果としてED症状を悪化させる可能性があります。
血管を収縮させる
ニコチンには血管を収縮させる作用があり、全身の血液循環が悪化します。
特にペニスの勃起に必要な海綿体への血流が制限されることで、十分な勃起を得られなくなる可能性が高まります。
また、慢性的な血流の低下は、海綿体組織の酸素不足を引き起こし、組織の弾力性を低下させる原因です。
動脈硬化を進行させる
タバコに含まれるタールや一酸化炭素は、血管内壁に悪影響を及ぼし、動脈硬化を促進します。
血管内に脂質や老廃物が蓄積することで、血管の弾力性が失われ、血流が更に悪化するためです。
特にペニスの血管は非常に細いため、動脈硬化の影響を受けやすく、勃起不全のリスクが高まります。
海綿体を変化させる
長期的な喫煙は、ペニスの海綿体組織に直接的なダメージを与えます。
血流障害や酸素不足により、海綿体の弾力性が低下し、血液を十分に貯留できなくなるためです。
海綿体が変化した結果、勃起力の低下や持続時間の短縮など、ED症状として現れます。
海綿体の変化は徐々に進行し、重症化すると治療が困難になる場合もあります。
タバコがパートナーシップにもたらす影響
タバコは、EDの原因となるだけではありません。喫煙習慣は、性行為におけるパートナーの印象や関係性にネガティブな影響を与える可能性があります。
臭いによる不快感を与える可能性
EDを気にする以前に、「この人と性行為はしたくない」と思われる可能性があります。
タバコによる息の臭いや体臭は、パートナーに不快感を与える可能性があるためです。
特に性行為中は相手との距離が近くなるため、タバコの残り香が気になる人も少なくありません。
また、ニコチンを摂取すると、体臭も変化すると言われています。
第一印象を損ねる可能性
「喫煙による健康リスクが高まると知っているのにやめられない」という姿勢が、健康志向のパートナーにはネガティブに映る場合があります。
たとえば、結婚や子供を考えているカップルでは「家族のために健康を考えられない」と批判されるケースもあるでしょう。
出会いのチャンスを逃すことにもなりかねません。
タバコ以外にEDの原因となる生活習慣
EDの原因は喫煙だけではありません。以下のような生活習慣の乱れも大きな影響を与えます。
総合的に生活習慣を見直すことも、ED予防・改善に良い影響を与えるでしょう。
アルコールの過剰摂取
アルコールの過剰摂取は、中枢神経系やホルモン代謝、血管機能に悪影響を及ぼし、勃起不全を引き起こす要因です。
アルコールは中枢神経系を抑制し、脳から性器への神経信号の伝達を鈍らせるため、性的興奮が得にくくなり、勃起が難しくなります。
飲み会後の性行為が、期待通りに進まない状況を経験した方も多いでしょう。
また、長期間にわたる過剰な飲酒で肝機能が低下すると、肝臓でのテストステロン代謝が不十分となり、性欲減退につながります。
食生活の乱れと運動不足
不規則な食生活や栄養バランスの偏り、運動不足は、肥満や生活習慣病のリスクを高めます。
特に内臓脂肪の蓄積は、男性ホルモンの分泌を阻害し、ED症状を引き起こす原因です。
また、糖尿病や高血圧症などの基礎疾患は、血管障害を通じてEDのリスクを更に増加させます。
ストレスや睡眠不足
現代社会で増加している慢性的なストレスや睡眠不足は、ホルモンバランスを大きく乱します。
特に、ストレスホルモンの過剰分泌は、テストステロンの産生を抑制し、性機能の低下を招きます。
また、精神的なストレスは不安やうつ症状を引き起こし、心因性EDの原因となることも。
ストレスと睡眠不足は相互に関連しており、ストレスが睡眠の質を低下させ、逆に睡眠不足がストレスを増加させる悪循環に陥りEDの悪化を招きます。
ご自身でできる禁煙方法
禁煙は簡単ではありませんが、計画的に取り組むことで成功率を高められます。ここでは、ご自身で実践できる効果的な禁煙方法を、7つご紹介します。
禁煙開始日を設定する
ストレスやプレッシャーの少ない日から、禁煙をスタートしましょう。
精神的な負担を感じると、タバコを吸いたくなることも少なくありません。
仕事などのストレスが少ない週末や連休を選び、リラックスした環境で始めることがおすすめです。
また、具体的な日付を決めることで、心の準備を整え、確実な第一歩を踏み出せるでしょう。
禁煙する理由を書きだす
禁煙した先に実現したいことを、紙に書き出しましょう。
禁煙の目的を明確にすることは、継続的な取り組みには不可欠です。
EDの改善や健康的な性生活の回復、ご家族との時間の質向上など、具体的な目標を書き出し、自覚します。
禁煙の目的を定期的に見直すことで、モチベーションを維持できるでしょう。
禁煙を宣言する
周囲の理解とサポートを得ることは、禁煙成功に欠かせません。
禁煙を知られていないと、喫煙休憩や飲み会の誘惑が今までのように続きます。
ご家族やご友人、職場の同僚に禁煙宣言をすることで、喫煙の誘いを防ぎ、精神的なサポートを得られるでしょう。
また、宣言することでご自身の決意も固まり、禁煙成功への責任感も生まれます。
喫煙行動や習慣を見直す
禁煙を継続するためには、ご自身の喫煙パターンを理解することが必要です。
喫煙につながる精神状態や状況を把握できると、それを避けたり、代替行動を用意できます。
いつ、どのような状況で喫煙欲求が強くなるのか、詳細に記録してみましょう。
喫煙のタイミングとしては、たとえば以下の状況が挙げられます。
- 仕事の前後
- コーヒーを飲んでいるとき
- プレッシャーから解放されたとき
喫煙のトリガーを特定すれば、吸わないように対策できます。
小刻みに目標を設定する
短い期間で禁煙を成功させ、徐々に吸わない期間を延ばしていくことがおすすめです。
「一生タバコを吸わない」という大きな目標は、プレッシャーになりがちです。
代わりに、「今日一日」「今週」「今月」というように、達成可能な小さな目標を設定しましょう。
成功体験を積み重ねることで、長期的な禁煙が可能になります。
禁煙補助薬を使う
禁煙補助薬は、離脱症状を和らげ、禁煙を成功に導くツールです。
ニコチンパッチやガムなどの市販薬は、医師の処方箋なしでもドラッグストアで購入できます。
禁煙補助薬を使用した場合、自力での禁煙と比べて1.5倍禁煙成功率が高まると言われています。
ストレス対策を用意する
禁煙中は、ストレス管理が成功のカギです。
日常のストレスに加え、吸えないことがさらなるストレスになる可能性があります。
喫煙の代わりとなるストレス解消法を、あらかじめ用意しておきましょう。
お菓子や過剰なカフェインは避け、以下のような健康的な代替法を見つけることがおすすめです。
- ランニング
- 運動
- 趣味の活動
夢中になれる活動なら集中できて、吸いたい気持ちをやり過ごせるでしょう。
禁煙とあわせて、ED治療を始めませんか?
喫煙は、血流を阻害し生殖能力の衰えを助長します。
禁煙は血流促進や体内老化の抑制が期待でき、EDの改善にも役立ちます。
ご紹介した禁煙ステップを参考に、さっそく禁煙を始めてみてください。
禁煙はED改善に有効なステップですが、すでにED症状が出ている場合は、EDの専門的な治療も検討する価値があります。
健康な生活習慣と同時に処方薬も取り入れると、よりストレスを軽減しながらED改善ができるでしょう。
満足のいく性行為のために、クリニックを受診することは珍しくありません。
オンラインクリニックなら、ほかの患者様とも顔を合わせることなくED治療ができます。
EDかな?と悩んでいる方は、一人で抱え込まずにクリニックに相談しましょう。
DMMオンラインクリニックならプライバシーを守りながらED治療ができます
DMMオンラインクリニックでは、プライバシーに配慮した環境で、医師による適切な診断とED治療薬の処方を受けられます。
診療はスマホ一つで好きな場所から受診でき、お薬も自宅や最寄りのコンビニで受け取れるため、ED治療を知られたくない方にもおすすめです。
診療は土日祝を含めて24時間対応していて、スキマ時間を活用できます。
カウンセラーへの相談はいつでも無料なので、お気軽にご相談ください。
【参考文献】
サイト:フィットクリニック
見出し:男性ホルモン分泌の乱れ
見出し:交感神経を優位にする
見出し:血管を収縮させる
見出し:血流を悪化させる
サイト:ヒロクリニック
見出し:動脈硬化の進行
見出し:一酸化炭素の影響
サイト:大阪梅田紳士クリニック
見出し:海綿体組織の変化
サイト:くぼたクリニック
見出し:過度のアルコール摂取
見出し:不適切な食生活
見出し:運動不足
サイト:独立行政法人
環境再生保全機構
見出し:自力で禁煙にチャレンジするときは
サイト:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団
見出し:ステップ3 今すぐにでも禁煙しようと思っている方へ
サイト:厚生労働省
禁煙のおくすりってどんなもの?