「食事制限しているのに体重が減らない」
「運動を始めたのに効果が出ない」
とお悩みの方のために、本記事では、体重が減らない原因をふまえて、太りすぎて痩せ方がわからない方がまず始めるとよいことを解説します。
これまでのダイエット失敗にさよならを告げ、健康的で持続可能な体重管理の方法を一緒に見つけていきましょう。
この記事の監修者
国家公務員共済組合連合会虎の門病院 救急科部長
東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)
1995年長崎大学医学部卒業。亀田総合病院臨床研修後、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、米国カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より現職。
太りすぎの定義
太りすぎとは、一般的にBMI(体格指数)が25以上の状態を指します。BMIは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算され、日本では以下のように分類されています。
- 18.5未満:低体重(痩せ型)
- 18.5~25未満:普通体重
- 25~30未満:肥満(1度)
- 30~35未満:肥満(2度)
- 35~40未満:肥満(3度)
- 40以上:肥満(4度)
他にも腹囲が男性で85 cm以上、女性で90 cm以上の場合は、平均より太いと定義され、病気のリスクが高まるといわれています。
痩せないダイエットとは
本記事でご紹介する間違ったダイエットをしていると、努力の甲斐なく痩せにくくなったり、痩せた身体を維持しにくくなります。
無理な食事制限
基礎代謝を大幅に下回る極端なカロリー制限は、成功しないダイエットの1つです。
極端なカロリー制限は一時的に体重が減少しても、やがて身体が飢餓状態と認識し、エネルギー消費を抑える「飢餓モード」に入ります。すると基礎代謝が低下し、脂肪を蓄えやすい体質になってしまいます。
正しい食事制限とは過剰なカロリー摂取を控えるにとどめ、1日に必要なカロリー量は摂取することです。
同じメニューを食べ続ける
もやしやキャベツだけを食べるダイエットが、これに当てはまります。
単一食品ダイエットや極端に限られた食材だけの食事は、下記の問題を引き起こします。
- 身体に必要な栄養素が不足し、代謝機能が低下
- 腸内細菌のバランスが崩れ、消化吸収機能や免疫機能に悪影響
- ストレスが増加し、過食や間食への欲求が高まる
ダイエット中は、普段よりも栄養バランスを意識しないと栄養が偏りがちです。
運動しない
運動せずに食事メニューだけで減量しようとするダイエットも、痩せにくいダイエットの1つです。
食事制限だけのダイエットには、下記のような問題点があります。
- 筋肉量が減少し、基礎代謝が低下
- 筋肉量の減少により糖質が脂肪として蓄積されやすくなる
- 心肺機能が向上せず、日常活動での消費カロリーが増えない
基礎代謝が下がると、痩せにくくリバウンドしやすい体質になってしまいます。
運動だけしている
ダイエット中の運動は必要ですが、食事管理をともなわないと減量効果は限定的です。運動による消費カロリーは想像以上に少なく、30分のジョギングでも180から300kcal程度です。
「運動したから痩せるはず」と、摂取カロリーに無頓着になってしまい、運動後の「頑張ったご褒美」で摂取するカロリーが、消費カロリーを上回ることが頻繁に起こります。
消費カロリーが摂取カロリーを上回ることが、痩せる必須条件です。
ダイエット食品ばかり食べている
加工されたダイエット食品に依存するダイエットには、下記の問題があります。
- 人工甘味料や添加物が多く含まれるため腸内環境が悪化し代謝に悪影響を及ぼす可能性がある
- 咀嚼回数が少なく満足感を得にくいため、別の食品で満足感を補ってしまう
- 実際の食生活の改善にはつながらず、ダイエット食品を止めると元の食習慣に戻りやすい
- 栄養バランスが偏りやすく、長期的な健康維持に必要な栄養素が不足する
- コスト面でも負担が大きく、継続性に欠ける
ダイエット食品は一時的な補助として利用し、基本は一般的な食材を使った食事を心がけるべきでしょう。
基礎代謝が低いままでダイエットしている
基礎代謝を上げることが、効率よいダイエットにつながります。基礎代謝が低いと消費カロリーが摂取カロリーを上回りにくいためです。
筋肉量が少なく基礎代謝が低い状態では、同じ食事量でも痩せにくくなります。年齢とともに自然に基礎代謝は下がるため、意識的に筋肉を維持・増加させるエクササイズが必要です。
ストレスや睡眠不足の状態でダイエットしている
精神的・身体的コンディションはダイエットに影響を及ぼします。ストレスがたまると、甘いものや味の濃いものを食べたくなる方も多いでしょう。
ストレスや睡眠不足は、コルチゾールなどのホルモンバランスを乱し、脂肪の蓄積を促進します。また、空腹感を増大させるため、過食につながるでしょう。
ダイエットや食事制限そのものがストレスになり得るため、極力ストレスを解消するよう心がけることが大切です。
太りすぎて痩せ方がわからない方がするとよいこと
「太りすぎて痩せ方がわからない」と途方に暮れている方は、すぐにできる簡単なことから取り掛かりましょう。
まずは3日間生活習慣を記録
ダイエットを始める前に、現状の食事内容、摂取カロリーを正確に把握します。食べたものすべて、飲み物、間食も含めて記録しましょう。睡眠時間や運動量、気分の変化なども記録すると、ご自身の生活パターンが見えてきます。
食事記録 | 食べた時間、メニュー、おおよその量 |
---|---|
水分摂取 | 水やお茶、コーヒー、アルコールなどすべての飲み物 |
活動記録 | 歩数、運動時間、家事や仕事での身体活動 |
睡眠記録 | 就寝・起床時間、睡眠の質 |
気分の変化 | ストレスを感じたとき、食べすぎてしまったときの感情 |
記録することで「無意識に間食している」「夕食が遅い」など、改善点が自然と見えてきます。
食事管理アプリを使う
カロリー計算や栄養バランスの分析が簡単にできる食事管理アプリを活用しましょう。継続的な食事管理がしやすくなります。
アプリでは、下記のような機能が利用できます。
- 食事の記録
- カロリー管理
- 栄養素の分析
- 記録をもとにしたアドバイス
- 体重変化のグラフ化
アプリを使うと、ご自身でやるのは面倒なダイエット分析が自動でできます。
おやつや炭水化物などを我慢しすぎない
脂質や糖質は完全に禁止するより、量を調整しながら楽しむ方が長続きします。ダイエット中のおやつは果物やナッツなどの自然食品や小分けになったダークチョコレートがおすすめです。
味が物足りない場合は、ダイエット食品のスイーツなどを適宜取り入れましょう。
炭水化物も完全にカットするのではなく、質の良いものを適量摂ることが大切です。ランチは普通に食べて、夕食の炭水化物量を控えめにするのもおすすめです。
月経前~月経中はチートデイにする
女性の場合はホルモンバランスの変化により、月経前から月経中は体重が増加しやすく、また食欲も増進します。
この時期は通常のダイエットプランを一時的に緩め、心身のストレスを軽減することが長期的なダイエット成功につながるでしょう。
医療痩身と組み合わせる
医師の監督下での医療痩身を取り入れることで、自己流ダイエットよりも効率よくダイエットを進められるでしょう。
たとえば、GLP-1受容体作動薬などの処方薬、専門家による栄養指導、医療機器を使用した治療などがあります。
DMMオンラインクリニックのメディカルダイエット
自己流のダイエットで繰り返し失敗してきた方は、DMMオンラインクリニックに一度ご相談ください。
DMMオンラインクリニックでは、医師による診察とヒアリングを通じて、豊富なお薬の中から一人ひとりの体質や生活習慣に合わせたダイエットのお薬を処方します。
DMMオンラインクリニックでは、なるべく身体に負担をかけずに減量するために、1ヶ月あたり体重の2%程度の減量を目安に継続して効果測定を行います。
オンライン診療でも、いつでも医師に相談できるため一人でやみくもに頑張るよりも精神的な負担を和らげながらダイエットを継続できるでしょう。
診療は無料で、料金はお薬の購入を決めたときだけ発生するためお気軽にご相談ください。
【参考文献】
厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023
https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
日本医師会:1日に必要なカロリー 推定エネルギー必要量
https://www.med.or.jp/forest/health/eat/01.html
日本肥満学会資料