勃起自体はあるものの、硬さが十分ではないと感じるケースは、医学的には軽度のEDとして扱われることがあります。(硬さのレベルに応じては中度以上のEDとなります)
加齢だけでなく、ストレスや生活習慣、血管の健康状態など、複数の要因が影響するため、正しく状態を把握し、早めに対処することが重要です。この記事では、勃起の硬さを評価するEHSスコアやIIEF5スコアの解説に加え、生活習慣の見直しや治療法の選択肢について具体的に紹介します。
硬さが足りないのもED?EDでの硬さをEHSスコアでチェック

十分な硬さを保てない状態でも、医学的にはED(勃起機能の低下)と診断されることがあります。完全に勃起しないわけではなくても、性交に支障が出る硬さであれば、治療の対象となる可能性があります。
このような勃起の状態は、主観だけで判断するのではなく、EHS(Erection Hardness Score)と呼ばれる指標を使って評価されます。EHSスコアは、勃起の硬さを0から4までの5段階で表すもので、泌尿器科領域において国際的に用いられている基準です。
スコア | 勃起の状態 | 医学的な位置づけ |
---|---|---|
0 | 陰茎がまったく大きくならない | 重度の勃起機能障害 |
1 | 少し大きくなるが、硬さがない | 明確なEDの状態 |
2 | 硬さがあるが、挿入には不十分 | 軽度〜中等度のED |
3 | 挿入可能な硬さだが、完全ではない | 軽度のEDに該当する可能性あり |
4 | 完全に硬く、硬直している | 正常な勃起機能 |
硬さの程度を客観的に把握することで、治療が必要かどうかを判断しやすくなります。以下に、EHSの各グレードについて説明します。
グレード0:陰茎が大きくならない
EHSスコアにおけるグレード0は、性的刺激を受けても陰茎に全く変化が見られず、膨張もしない状態を指します。この段階は、EDの中でも最も重度とされ、通常の性的行為は不可能です。
血流や神経の機能に大きな障害がある可能性があり、生活習慣病やホルモン異常、神経系の疾患などが原因となっていることがあります。適切な診察と検査を受けることで、根本原因を特定し、必要な治療につなげることが重要です。
このレベルでは医療機関による評価と治療が必須とされており、放置すべき状態ではありません。
グレード1:陰茎は大きくなるが、硬くはない
グレード1は、性的刺激によって陰茎がある程度膨張するものの、硬さが伴わない状態です。この段階では勃起に必要な血流が十分に確保されておらず、挿入や性行為の継続は困難です。
こうした状態は、加齢や慢性的な疲労、血管機能の低下などが関係している場合が多く、初期の勃起機能低下として見過ごされがちです。しかし、繰り返し起こる場合はEDの一種として適切な対応が必要です。
医師による診察のもと、血流改善薬や生活習慣の見直しなど、段階的な治療が効果を発揮する可能性があります。
グレード2:陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない
グレード2は、陰茎にある程度の硬さがあるものの、性行為時の挿入には不十分とされる状態です。見た目や触れた感覚では勃起しているように感じられても、実際には途中で萎えてしまう、あるいはスムーズな挿入が難しいことが多くあります。
この段階は、軽度〜中等度の勃起機能低下と位置づけられます。ストレスや睡眠不足、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、または喫煙なども影響している可能性があります。自覚があっても「年齢のせい」と判断し、放置してしまう人も少なくありません。
グレード3:陰茎は挿入には十分硬いが、完全に硬くはない
グレード3では、勃起した陰茎に挿入可能な程度の硬さがあるものの、完全な硬直状態とは言えない状態です。性交自体は可能ですが、満足度の低下や途中で硬さが弱まるといった不安を感じる人もいます。
このレベルでは「問題ない」と判断されることもありますが、持続力や質に不満を持つケースでは軽度のEDとして診察・治療の対象となります。加齢によるホルモン低下や血管機能の衰え、心理的要因が複合していることもあり、個人差の大きい段階です。
適切な治療によって、硬さや安定性を高めることが期待できるため、症状が継続する場合は専門医に相談するのが望ましいです。オンライン診療を活用すれば、自宅から手軽に治療方針の相談や薬の処方を受けることができます。
グレード4:陰茎は完全に硬く、硬直している
グレード4は、勃起が十分に硬く、性行為においても問題なく機能する状態を指します。EHSスコアにおいては、これが正常な勃起機能とされ、EDの兆候は見られません。
このレベルでは、陰茎が硬直し、手で押しても形が崩れないほどの硬さがあります。血流や神経伝達、ホルモンバランスが正常に機能しており、性的刺激に対して適切に反応できている状態です。
もしこの状態を保つのが難しくなったり、グレードが以前より下がったと感じるようであれば、それは勃起機能の低下を示すサインです。生活習慣や体調、年齢に伴う変化を見直し、必要に応じて医師の診察を受けることが推奨されます。
詳細の診断はIIEF5スコアでチェック
ED(勃起機能の低下)の程度をより正確に評価する際に活用されるのが、「IIEF5(International Index of Erectile Function-5)」という国際的な評価指標です。これは5つの質問項目から構成され、過去6か月間の性機能に関する自己評価を数値化することで、EDの重症度を客観的に把握することができます。
具体的な質問項目は、勃起の頻度・硬さ・維持時間・性交の満足度などに関するもので、各項目を1~5点で自己評価し、合計点によって次のように分類されます:
- 5〜7点:重度のED
- 8〜11点:中等度のED
- 12〜16点:軽度から中等度のED
- 17〜21点:軽度のED
- 22〜25点:正常範囲
IIEF5スコアは医療機関での問診にも使われており、自分で試してみることで、医師との相談時に症状をより正確に伝えることができます。オンライン診療を利用する際にも、事前に自己評価しておくと診療がスムーズに進みます。
EDで硬さが足りないと思った際に気をつけたい習慣
勃起時の硬さに不安を感じた場合、まずは日常生活を見直すことが大切です。EDの症状は、加齢や疾患だけでなく、生活環境や心理的な要因とも深く関係しています。
特に勃起機能は、血流やホルモンバランス、自律神経の働きなどに左右されるため、心身の健康状態が安定していることが重要です。適切な治療を検討する前に、生活習慣の乱れがないかを振り返ることで、状態の改善や悪化の予防につながることがあります。
以下では、日常の中で気をつけたい代表的なポイントを4つの視点で紹介します。
ストレスを溜め込んでいないか
精神的なストレスは、勃起機能に大きな影響を及ぼす要因のひとつです。強い緊張や不安、プレッシャーが続くと、自律神経が乱れ、性的刺激に対する反応が低下することがあります。特にパートナーとの関係や仕事上の悩みなどが積み重なることで、性的な興奮を感じにくくなり、勃起の硬さや持続力に影響が出ることがあります。
また、ストレスにより睡眠の質が低下したり、飲酒・喫煙量が増えるといった二次的な生活習慣の悪化も、勃起機能の低下を招く一因になります。心身の負荷を軽減し、リラックスできる時間を意識的に設けることが、性機能の維持には欠かせません。
生活習慣に乱れはないか
不規則な生活は、勃起機能の低下を引き起こす大きな要因となります。特に睡眠不足、運動不足、過度な飲酒、喫煙習慣などは、血管機能やホルモン分泌に悪影響を及ぼし、勃起の硬さや持続力に関係してきます。
たとえば、喫煙は血管の収縮を促進し、陰茎への血流を妨げることで勃起不全のリスクを高めるとされています。また、過度のアルコール摂取も一時的に性的反応を鈍らせ、長期的には神経系やホルモン分泌に悪影響を及ぼすことがあります。
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を確保することは、性機能を維持するうえでも重要です。生活習慣の改善によって、勃起機能が回復するケースもあります。
高血圧でない
高血圧は、勃起機能に悪影響を及ぼす代表的な疾患のひとつです。血圧が高い状態が続くと、血管の内皮機能が低下し、陰茎への血流が十分に届かなくなります。その結果、勃起時の硬さが不十分になったり、持続力が弱まることがあります。
さらに、高血圧の治療に用いられる一部の降圧薬には、副作用として勃起機能の低下を引き起こすものもあります。ただし、すべての薬がEDの原因になるわけではなく、近年では性機能に配慮された処方も可能です。
勃起機能の変化が気になる場合は、高血圧の有無を確認するとともに、服用している薬についても医師と相談することが重要です。
糖尿病等の疾患がないか
糖尿病は、EDの発症リスクを高める代表的な疾患です。血糖値が慢性的に高い状態が続くと、神経や血管の機能が障害を受けやすくなり、陰茎への血流や神経伝達に影響を及ぼします。その結果、勃起の硬さが不十分になったり、勃起そのものが起こりにくくなることがあります。
特に糖尿病性神経障害や血管障害が進行すると、治療薬の効果が出にくくなる場合もあり、早期の対処が重要です。加えて、脂質異常症や慢性腎疾患といった他の生活習慣病も、勃起機能に悪影響を及ぼすことがあるため、総合的な健康管理が求められます。
既往歴がある場合や、健康診断で血糖値の異常を指摘された場合は、早めに専門医へ相談することが勧められます。
勃起で硬さがほしいときに検討すべきアプローチ
勃起時の硬さが十分でないと感じた場合には、原因に応じた適切な対応を行うことで改善が期待できます。症状の程度や身体の状態により、取り入れるべき手段は異なりますが、以下のような方法が代表的です
- ED治療薬の服用による血流改善
- レノーヴァ(低出力体外衝撃波治療)による血管機能の再活性化
- 骨盤底筋を中心とした筋力トレーニングの実践
これらの方法は、いずれも医師の判断のもとで適切に活用することが重要です。特に基礎疾患がある場合や他の薬を服用している場合には、安全性にも十分な配慮が必要です。
ED治療薬を服用する
ED治療薬は、陰茎への血流を一時的に増加させることで勃起を促す医薬品です。代表的な薬剤には、シルデナフィル(バイアグラ)、タダラフィル(シアリス)、バルデナフィル(レビトラ)などがあり、それぞれ作用時間や効果の出方に違いがあります。
薬剤名 | 一般名 | 主な特徴 | 作用時間(目安) | 食事の影響 |
---|---|---|---|---|
バイアグラ | シルデナフィル | 即効性が高い/短時間タイプ | 約4時間 | 受けやすい |
レビトラ | バルデナフィル | 即効性+安定性/中間タイプ | 約5時間 | やや受けにくい |
シアリス | タダラフィル | 持続性に優れる/週末型タイプ | 約36時間 | 受けにくい |
これらの薬剤は、性的刺激に反応して自然な勃起をサポートするもので、服用すれば何の刺激もなしに即座に勃起するわけではありません。また、心臓病など一部の持病がある方には使用できないケースもあるため、医師による処方が前提となります。
近年では、オンライン診療を活用して自宅から診察・処方まで完結することができ、通院が難しい方でも継続的な治療を受けやすい環境が整っています。
レノーヴァ(衝撃波治療)を検討する
レノーヴァは、低出力体外衝撃波(Li-ESWT)を用いたED治療法で、陰茎周辺の血管に刺激を与えることで血流改善を促す非薬物的なアプローチです。従来のED治療薬が一時的な効果を目的としているのに対し、レノーヴァは勃起機能そのものの改善をめざす治療として注目されています。
この治療は主に、軽度〜中等度のEDに適用されることが多く、薬の効果が薄い人や長期的な改善を希望する人にも適しています。週1回の施術を数回受けることで血管新生が促され、数週間〜数か月かけて自然な勃起反応が得られる可能性があります。
副作用がほとんど報告されていない点や、日常生活に支障をきたさない点も特徴です。ただし、すべての医療機関で実施されているわけではなく、専門の自由診療クリニックなどでの対応となります。
EDに効果のある筋トレを実践する
勃起機能の維持には、血流や神経の働きに加え、骨盤周辺の筋肉の状態も関係しています。特に骨盤底筋群は、排尿や勃起の制御に関与しており、この筋肉を鍛えることで陰茎への血流を補助し、勃起の硬さや持続力に良い影響を与えるとされています。
代表的なトレーニング方法としては「ケーゲル体操」があります。これは骨盤底の筋肉を締める・緩める動作を繰り返すシンプルな運動で、自宅でも手軽に実践できるのが特徴です。継続することで、勃起機能の改善だけでなく、尿もれの予防や排尿コントロールの向上にもつながります。
また、ウォーキングやスクワットなどの全身運動も、血流改善や男性ホルモンの分泌促進に寄与するとされています。筋トレはすぐに効果が出るものではありませんが、日常生活に無理なく取り入れることで、長期的な改善が期待できます。
DMMオンラインクリニックならいつでもED診療ができる

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また、シルデナフィル(バイアグラジェネリック)やタダラフィル(シアリスジェネリック)など、複数のED治療薬から症状や希望に応じた処方が受けられる点も特徴です。診療はプライバシーに配慮されており、LINEやビデオ通話などでスムーズに進行します。
仕事や育児で時間が取りづらい方、対面での受診に抵抗がある方でも、安心してED治療を始められる環境が整っています。
まとめ:自分の硬さを知りたい場合はまずセルフチェック
勃起時の硬さに不安がある場合、自分の状態を正確に知ることが治療への第一歩です。感覚的な判断だけでは見落としがちなEDの兆候も、EHSスコアやIIEF5スコアを活用することで、客観的に把握できます。
セルフチェックの結果、軽度でも違和感や不安を感じるようであれば、早めに医師へ相談することが大切です。近年は、DMMオンラインクリニックのように、通院不要で診察から薬の受け取りまで完結できる体制も整っており、治療のハードルも下がっています。
生活習慣の見直しやセルフトレーニングといった対策も含め、自分に合った方法で早めに対応を始めることが、勃起機能の改善につながります。