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感染経路に心当たりがなくてもクラミジアになる可能性について解説

クラミジアは性感染症の一つで、感染しても自覚症状が乏しいことが特徴です。

そのため、「心当たりがないのにクラミジアに感染している」という状況が起こりえます。

感染に気づかないと、パートナーとのピンポン感染を繰り返したり、症状が進行して不妊の原因になることもあります。

この記事では、なぜ心当たりがなくてもクラミジアに感染する可能性があるのか、その理由や感染経路、症状などについて詳しく解説します。

クラミジアについての正しい知識を持ち、適切な予防や早期発見・治療をしましょう。

この記事の監修者
国家公務員共済組合連合会虎の門病院 救急科部長
東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)

1995年長崎大学医学部卒業。亀田総合病院臨床研修後、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、米国カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より現職。

目次

旦那としかしてないのに…心当たりがないのにクラミジアになる理由

クラミジアは無症状または軽い症状で気づきにくい感染症です。

そのため、パートナーが唯一の性行為の相手であっても、感染している可能性があります。

以下に、心当たりがないのにクラミジアになる主な理由を解説します。

潜伏期間に感染した

潜伏期間中に感染した場合、心当たりがないと感じるでしょう。

クラミジアは無症状の潜伏期間でも感染力を持ちます。

クラミジアの潜伏期間は通常2〜3週間ですが、感染しても無症状または極めて軽い症状しか現れないため、感染に気づきにくいことが特徴です。また、症状が軽いため、かぜや疲れなどと勘違いしてしまうこともあります。

そのため、パートナーが感染していることに気づかずに性行為を続け、感染が広がる可能性があります。

過去のパートナーから感染していた

過去のパートナーから感染していて、ずっと気づかないまま菌を保有していることが考えられます。

クラミジアは無症状またはごく軽度の症状で長期間気づかないで菌を保有している可能性があります。保菌状態で長期間感染力を持つため、過去のパートナーから感染していたにもかかわらず、気づかずに現在のパートナーに感染させてしまうことも。

特に女性は無症状のまま数ヶ月から数年間、菌を保有し続けることがあります。

感染部位と検査部位が違っていた

性器の検査をして陰性でも、喉に感染している場合があります。またその逆もしかり。

たとえば、オーラルセックスによって喉に感染していても、性器の検査では陰性となることがあります。

しかしクラミジアは性器だけでなく、喉や目にも感染する病気です。

そのため、性器の検査で陰性だったとしても、ほかの部位に菌が生息している可能性があります。

クラミジアの感染経路

クラミジアは症状が現れにくい感染症ですが、1回の性行為での感染率は30~50%と比較的高いです。

そのため、オーラルセックスを含むコンドームを使用しない性行為や口腔性交を行った場合や、パートナーがクラミジア陽性だった場合は、感染リスクが高まります。

以下に主な感染経路を詳しく説明します。

性器から性器

感染した方の精液や腟分泌液に含まれる病原菌が、性行為を通じて相手の性器粘膜に接触することで感染します。

クラミジア・トラコマチス (クラミジアの菌)は粘膜に生息しているため、性器同士の接触は最も一般的な感染経路です。

コンドームを使用しない性行為では、感染リスクが非常に高まります。また、感染者が無症状の場合でも、感染力があることに注意が必要です。

性器から喉

オーラルセックスによって、クラミジアに感染した性器から、喉に感染する可能性があります。感染した性器の分泌物が喉の粘膜に接触すると、咽頭クラミジアに感染します。

咽頭クラミジアは自覚症状が少ないため、気づかずに感染を広げてしまうことも。

オーラルセックス時にコンドームを使用することで、感染リスクを軽減できるでしょう。

喉から性器

咽頭クラミジアに感染している方がオーラルセックスを行うと、喉から相手の性器に感染する可能性があります。

クラミジアの場合、自覚症状がないまま感染力を持ち続けることがあるため、気づかずに性器に感染させてしまうでしょう。

性器に感染させて性行為を行うと、喉から相手の性器に移り、ご自身の性器にも感染するという経路でご自身の性器も感染リスクが高まります。

喉から喉

喉から喉への感染は、軽く触れる程度や唾液が少し触れる程度だと感染しません。

しかし、口内に出血がある場合は感染するリスクが高まります。ディープキスや唾液の交換をともなうような接触では、咽頭クラミジアに感染している方から健康な方へ感染する可能性があります。

特に口内炎や歯肉炎、親知らずの抜糸などで口腔内に傷や出血がある場合は、感染リスクが高くなるので注意が必要です。

クラミジアに感染した性器や喉の分泌物が手に付着し、その手で目をこすったり触ったりすることで、目のクラミジア感染(トラコーマ)を引き起こす可能性があります。

感染すると結膜炎のような症状が現れ、適切な治療を行わないと視力に影響を及ぼすことも。

目の充血や膿状の目やに、まぶたの腫れがある場合は注意が必要です。

温泉やプールで感染することはない

クラミジアの感染経路について、温泉の椅子やサウナのマットを介しての感染は低いです。

クラミジアは空気中や水中では生存できず、感染者の体液や粘膜でしか存在できません。

そのため、温泉やプールの水を介して感染することはほとんどないと言えるでしょう。

ただし、共用のタオルや下着などを介して感染する可能性は極めて低いですが、完全にゼロではないため、個人の衛生用品は共有しないことが望ましいです。

クラミジアの潜伏期間

クラミジアの潜伏期間は、感染してから症状が現れるまでの期間を指します。男女で若干の違いがありますが、一般的には2〜3週間とされています。

男性の場合

男性の場合、クラミジアの潜伏期間は2~3週間です。しかし、個人差があり、1週間程度で症状が現れる場合もあれば、1ヶ月以上経ってから症状が出ることもあります。

また、約50%の感染者は無症状のまま経過することもあるため、感染拡大防止には定期的な検査が必要です。

感染に気づかずに放置すると、尿道炎や精巣上体炎などの合併症を引き起こす可能性があります。

女性の場合

女性の場合も、男性と同じく2~3週間程度の潜伏期間があると考えられます。しかし、女性は自覚症状の乏しいことが多く、潜伏期間を正確に把握することは難しいです。

約80%の感染者が無症状とも言われており、感染に気づかないまま数ヶ月から数年間経過することもあります。

感染拡大や症状の悪化を防ぐには、定期的な検査が必要です。

放置すると、骨盤内炎症性疾患(PID)や不妊の原因となる可能性があります。

性器クラミジアの症状

クラミジアの症状は男女で異なる場合があります。以下に、性別ごとの主な症状を説明します。

男性の場合

男性の性器クラミジアの主な症状には以下のようなものがあります。

症状詳細
排尿時の軽い痛み排尿時に尿道に軽い痛みやヒリヒリ感を感じることがあります。
尿道からの分泌物(うみ)尿道から透明や白っぽい分泌物(うみ)が出ることがあります。
尿道口周辺のかゆみ尿道口周辺がかゆくなることがあります。
精巣周辺の腫れと発熱精巣上体炎を併発すると、精巣周辺が腫れて痛みや発熱をともなうことがあります。

ただし、約50%の感染者は無症状のため、検査で初めて感染が発覚することも多いです。

女性の場合 

女性の性器クラミジアの症状は以下の通りですが、自覚症状がないことも多いです。

症状詳細
おりものの異常通常より多い、または黄色や緑色のおりものが出ることがあります。
不正出血月経以外の時期に出血することがあります。特に性行為の後に起こりやすいです。
性交痛性行為時に痛みを感じることがあります。
不妊長期間放置すると、卵管に炎症が起こり、不妊の原因となる可能性があります。
早期流産妊娠初期に流産のリスクが高まる可能性があります。

女性は約80%が無症状とも言われています。おりものの異常や多少の不正出血の症状は、ただの体調不良だと思って見過ごされることも。

検査で初めて発覚することもあるので、定期的な検査が必要です。

咽頭クラミジアの症状

咽頭クラミジアの症状は男女共通しています。以下が主な症状です。

症状詳細
喉の痛みや腫れ軽度から中程度の喉の痛みや違和感を感じることがあります。
乾いた咳や、痰をともなう咳が続くことがあります。
発熱微熱から中程度の発熱をともなうことがあります。
イガイガとした違和感喉にイガイガとした違和感や刺激感を感じることがあります。
鼻づまり鼻炎のような症状が現れることがあります。

ただし、咽頭クラミジアは無症状のことも多く、かぜや季節性のアレルギーと間違えられやすいため、注意が必要です。

オーラルセックスを行う場合は、コンドームの装着が有効な予防策です。

クラミジアの疑いがある場合は何科を受診する?

クラミジアの疑いがある場合、感染部位によって受診する診療科が異なります。

性器に感染疑いがある場合は、女性は婦人科、男性は泌尿器科で検査が可能です。

喉の場合は耳鼻咽喉科や内科で検査ができます。

匿名での受診や検査を希望する場合は、性病専門クリニックがおすすめです。

無症状検査方法は以下の通りです。

  • 女性は子宮頸管液の採取
  • 男性は尿検査を行います。
  • 喉の場合は、咽頭粘膜からの検体採取

クラミジアは無症状や軽症のことが多いため、性行為をする機会がある方は心当たりがなくても定期的に検査を受けましょう。

クラミジアの検査・治療はDMMオンラインクリニックがおすすめ

クラミジアは感染力が高く、抗生物質で治療しないと重症化や感染を広げるリスクがあります。市販薬では治療できないため、クラミジアの心当たりがあるときには医療機関を受診しましょう。

「忙しくて病院に行く時間がない」「性感染症で受診するのは恥ずかしい」という方は、自宅で診療が受けられるDMMオンラインクリニックがおすすめです。検査キットや薬も自宅に届くため、待ち時間がかからず他人の目も気になりません。ぜひ利用を検討してみてください。

【参考文献】 

咽頭クラミジア|あおぞらクリニック

https://www.aozoracl.com/pharyngeal_chlamydia

クラミジアに関するご質問|札幌中央クリニック

https://www.chuoh-mens.jp/std-care/std/std_faq/chlamydia/#004

セックスだけじゃない?心当たりないクラミジアの感染経路を医師が解説|クリニックテン

https://clinicten.jp/column/4304/

クラミジア感染症|ドクターズファイル

https://doctorsfile.jp/medication/113

クラミジアの潜伏期間や症状は?無症状でも感染する?|オイテル株式会社

https://oitr.jp/media/chlamydia-route-of-infection-no-idea/

性器クラミジア感染症とは|国立感染症研究所

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/chlamydia-std/392-encyclopedia/423-chlamydia-std-intro.html

日本で1番多い性病クラミジア感染経路や治療法について解説|GME医学検査研究所

https://www.gme.co.jp/column/column96_the-most-common-stds-in-japan.html

クラミジアについて|プライベートケアクリニック東京

https://pcct.jp/std/info-genital-chlamydial-infection/

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